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人生でコスパの高いお家購入方法とは

 人生でお家の購入、建築は、一生に一度の人が大半だ。ではどうすれば、便の良い場所に、自分の想いの詰まった高気密高断熱住宅を、支払い能力に応じた予算で購入、建築することができるのか。

結論は

  • 1.結婚初期に、立地条件を最優先にした中古戸建物件を購入
  • 2.平均寿命から逆算し、残りの人生40年あたりで、上物(建物)を建て替える

 土地購入と上物建築の時期をずらしてお家購入することが、後悔の少ない、コスパの良い最良の選択と考える。

1.大前提の持ち家か賃貸か

 お家購入を検討している人は、勿論持ち家派だと思うが、改めて考えてみたい。

 私は持ち家派だ。理由は、最終的に自分の資産になることが大きい。また、固定資産税や、経年劣化に伴う機器修理費など、メンテナンス費・維持費は掛かるものの、長年家族と過ごした場所・家は、その人にとって、地域への愛着や思い出、つまりかけがえのないものになると考える。

 現職では、実家の関西を皮切りに、広島、岡山に家族帯同で赴任した。子供に、幼少期の転校はどうだったか尋ねると、兄、妹共に嫌だったと答える。理由は、仲の良い友達と離れ離れになること、また、新しい環境で自分が馴染めるのか不安だから、だそうだ。ちなみに、子供二人とも、将来は転居を伴わない仕事に就きたいという。幼ないころのプレッシャーは、将来の職業を決めてしまうほどの要素になり得ている。

 賃貸のメリットとして、住宅ローンがない、メンテナンス費、維持費がかからない、子供の巣立ちなど家族構成の変化で、住む場所を変えることができる、などを挙げる人がいる。

 ただ、賃貸は家賃を支払っても、自分の資産にはならない。よく購入した物件の資産価値が目減りし、持ち家は最終的に損をするという意見を聞くが、立地の良い場所(急行など停まる駅から徒歩10分圏内、徒歩数分圏内にスーパー、郵便局、銀行などがある)をできるだけ早期に購入すれば、その心配は皆無になるだろう。なぜなら、そんな立地の良い場所を売りに出す人がいないから。いないということは、値付けできない資産の証だ。

 また、年老いての賃貸生活は、孤独死など、大家サイドにもリスクが生じる。いくら店子の権利が認められているとはいえ、終の住処が持ち家なら、誰気兼ねなく生活を送ることができる。

 家族構成の変化に伴う転居も、転勤のたびに引越しの苦労を経験した人間にとってみれば、早々転居なんて考えもしない。住めば都という諺もあるぐらい、転居にはかなりの体力、金銭パワーが付きまとう。年金生活の年老いた人が、それを実行できるかは、甚だ疑問だ。

2.結婚初期に、立地条件を最優先にした中古戸建物件を購入する

 では、人生で一度きりのお家購入を考えた時、一番優先すべき事はなんなのか。それは、立地を最優先にした築22年以上の中古戸建住宅の購入である。

 理由は、築22年以上の場合、上物(建物)はおよそ0円。減価償却により、価値はない。購入するのはおよそ土地代のみとなるからだ。

 例えば、予算2,500万円の場合、土地30坪付の高気密高断熱住宅は、購入・建築できない。なぜなら、上物(建物)だけで、建て延べ30坪なら2,500万円以上するからだ。ただ、土地購入のみなら、かなり好立地の土地を購入することができる。

 30坪で税抜坪単価757千円、45坪で568千円。大阪・梅田で働くと仮定した場合、通勤1時間圏内を半径としてぐるっと東西南北見渡せば良い。阪急、JR、京阪、近鉄、南海各沿線、大いに候補地が上がってくると思う。その中から、急行、快速が止まる駅を選び出し、徒歩10分圏内+スーパー・銀行・郵便局が徒歩数分圏内を探していくのだ。

 逆を言えば、新興住宅地で、駅までバス20分、30分などの分譲地は、やめておけということである。賃貸派がいう資産の目減り物件とは、まさにこういう物件である。

 上物(建物)はどこで建てても、かかる費用は大きく変わらない。土地が安いので、合計2,500万円~3,000万円で購入できるのだ。繰り返すが、上物は経年劣化に伴い減価償却していく。22年後は、土地代しか残らないから、資産価値が大きく目減りするのだ。

 それでも、新妻からは、「新築がいい」とせがまれるかもしれない。

 しかし、冷静になって考えてほしい。土地代2,500万円+上物(建物)2,500万円を一括で27歳で購入した場合、恐らく死ぬまで建て替えはできないだろう。なぜなら90歳まで生き、余命23年として、67歳時点で高気密高断熱住宅を立てるお金(住宅ローン)と建て替えに伴う気力・パワーはないだろう。

 また、家の使い切り(築40年)には、残された時間(22年)があまりにも短く、コスパが悪すぎるからだ。諦めて、若かりしころ建築した家を修繕しながら、住むこととなる。

 購入する土地条件に、小学校の徒歩距離を上げる人もいるが、これは除外しよう。

 小学校、中学、高校、大学と、通う学校は時間の経過とともに、目まぐるしく変わっていく。何を隠そう私自身、小学校は片道40分、中学、高校、大学は片道1時間かけて通学したが、今は良い思い出だ。社会人になってからの人生が長い。故に、駅までの距離>学校までの距離 これが鉄則だ。

 購入にあたって、一番重要な行動は、とにかく早く情報収集すること。不動産は縁のものだ。購入したい時期に、タイミング良く物件が出てくることは、まず無い。

 候補駅を絞り込んだら、駅前の不動産屋に出かけてみよう。購入したい物件の予算、希望内容を伝え、購入する意思を確実に伝える。そして顔馴染みになることで、チラシ掲載される前の情報を流してもらえる関係を作っておくと、なお良い。向こうから珠玉のネタは転がり込んでこない。自分からとりにいく必要がある。そうやって、売りに出されないエリアの土地を獲得していくのだ。

 新築の建物は、経年とともに劣化していく。だた、立地の良さからくる住みやすさ、便の良さは、経年とともに有り難さが増す。年齢とともに行動範囲が狭まってくるからだ。繰り返すが、立地の良い中古戸建の売り出しは、そうそうない。

3.平均寿命から逆算し、残り人生40年あたりで上物(建物)を建てかえる

 残り人生40年と言えば、大体50歳前後になる。人によって異なるが、子供は高校生から大学生前後。個別の部屋で過ごすことが当たり前になり、部屋の役割が明確になっている頃だ。

 つまり、27歳から約20年間生活をした中古戸建の間取りの良し悪しを、住むことで把握することができているはずである。この実際に住むことで分かる間取りの良し悪しは、インスタやブログで収集する情報よりも格段に上だ。なんせ、生活していく中での改善点であり、こうすればなお良いというのは、実体験に基づく何者にも勝る情報だからだ。

 その上で、間取りを含めた、高気密高断熱住宅の新築に着手する。年頃に成長した子供含めた家族みんなで、どんな間取りにするのが良いのか、話し合うのが一番良い。この時の経験が、成人し、結婚した子供が家を新築する時の糧になることも間違い無いだろう。

 土地と新築物件を一度に購入するのは無理でも、時期をずらすことで、可能になる。長期視点を持てば可能になるのだ。