人生で一度のお家づくりに欠かせないもの。それは、
- 1.新築のお家に、自分が何を求めているかを明確にし、
- 2.youtubeやブログ、本などを活用して自分で勉強して、知識獲得に努め、お家づくりに反映させること。
それが全てだ。
何故なら、お家づくりを依頼するのは、建築メーカーや工務店といったお家づくりのプロだからだ。
自分の意思を明確に持ち、必要な知識を得た上で、お家づくりを進めなければ、メーカーや工務店の建てたいお家に誘導されてしまい、結果として後々後悔することになる。向こう35年に渡り、住宅ローンを支払うのは自分自身。メーカーや工務店の建てたいお家にしたい人は、勿体いないだろう。
私が最終的に、お家づくりでどうしても実現したかったものは、
- ①手頃な光熱費で、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるお家
- ②メンテナンスコストができるだけかからないお家
この2点はどうしても譲れなかった。
1.自分の建てたいお家づくりを依頼する建築メーカー・工務店の選定方法
では、どうすれば自分の建てたいお家を建ててくれる建築メーカー、工務店を探すことができるのだろうか。
私の場合
- ①自宅から片道2時間以内に会社がある
- ②ホームページに高気密・高断熱建築を手掛けていることが明記
- ③施工事例にUA値、C値などのスペックが記載
- ④メンテナンスコスト・ランニングコストを意識したお家づくりが謳われている
を基準に、依頼する会社を、最終的に選定した。
最終的に、というのには理由がある。
2.紆余曲折を経た建築会社選定遍歴
私の建築会社探しのファーストステージは、自宅近くの住宅展示場に足を運ぶところからスタートする。明確にこういう家を建てたいという思いがあったわけではなく、何となくからスタートしたことを覚えている。
そこで「一条工務店」と「イムラ」の2つのメーカーに興味を持った。
一条工務店は、家全体を涼しく、暖かく快適に過ごせることに興味が惹かれたが、坪単価が高かったのと、全館空調には、当時そこまで必要性を感じなかったため、圏外に。
イムラは、自然素材を使用し、展示場のモデルハウスも重厚感があったため、何軒かの構造見学会、完成見学会に足を運んだが、坪単価が高かったのと、最終の建築依頼時には社長面談が必要などという、宗教じみた話が出てきたので、これまた圏外になっていった。
ただ、漆喰の内壁に、檜・杉の無垢床仕様の自然素材のお家を、私がどうしても諦めきれなかったため、セカンドステージで探した会社は、坪単価のできるだけ安い、自然素材を扱う工務店だった。
最初に依頼した自然素材を扱う工務店は、間取りの打ち合わせが非常にしんどい工務店だった。
ホームページに記載されていた施工事例の間取りの良さに憧れ、選定した工務店だったが、自分たちに提案される間取りには、「吹き抜け」「ファミリークローゼット」「生活動線」などがなく、週末に入る折込チラシに掲載の、建売住宅のような昭和の間取りばかりがアップされた。
そのうち、こんな間取りにして欲しいと、エクセルに自分で間取りを作成しだすと、一気にお家づくりのしんどさが倍増。最終的に、家族の思うような間取り作成能力がなかったため、半年ほどで打ち合わせが終了した。
この当時は、間取りをめぐるお家づくりのしんどさに、家族が潰されかけていたことを、今でも鮮明に覚えている。間取りは、自分で作成するものではないものと、改めて認識をすることができた。
2社目の自然素材を扱う工務店は、間取り作成能力がずば抜けて高かった。アップされる幾つもの間取り全てが、ワクワク感に満ちた間取りばかりなのだ。
担当者に聞くと、なんと1社目の工務店に在籍し、間取りを担当していたのが、自分とのこと。1社目のホームページに記載されていた施工事例のワクワク感は、この人から生まれており、これも何かの縁だと強く感じたものだ。
ただ、最終的にこの工務店でも、お家を建てることが出来なかった。
大きな理由は、自然素材重視から、耐震等級3取得、高気密・高断熱のお家づくりに方針の舵を大きく変更したからだ。
では、何故大きく方針を転換したのか。
娘の高校受験を理由に、半年間の打ち合わせ休止期間中に、あるブログと出会うことになる。
オーブルデザインの「緑の家」。その後の私のお家づくりに、多大な影響を与えることになるブログである。
そのブログで、耐震等級3取得、エアコンによる湿度管理と高気密・高断熱住宅の良さ、重要性を知り、こんなお家づくり観が世の中にあるんだと衝撃を受け、自分のお家づくりの項目に、そういったものを追加していった。
そして、休止期間明けの一発目の打ち合わせで、高気密・高断熱を筆頭に、追加したい内容を工務店側に話をした。担当者は、ニコニコの笑顔で聞いてくれてはいたものの、どこか底堅い怖さを感じる笑顔だった。
今から思えば、構造といった建築の聖域に、自分が足を踏み入れてしまったのだ。
工務店側から見れば、漆喰の内壁に、檜・杉の無垢床で来てくれたお客さんに、まさかやった事のない二重屋根や付加断熱などを要求されるとは思ってもみなかっただろう。まして、やった事のない建築依頼を押し付けられ、最終的に責任まで追わされるリスクを考えれば、回避したい思惑が働くのも当然だ。
その後の打ち合わせは、私の主張と、「そこまでやる必要はない」という工務店側の意見がぶつかる事が多くなっていった。見積もりも、こちらがグレードを下げて金額を削れば、工務店側も原材料費高騰を理由に金額を上乗せし、嫌がらせをされる、負のスパイラルに陥った。
そして、その2社目からは、最終的に建築を断られた。
その理由が、「二重屋根や付加断熱といったものは、自分たちの過去実績にない。やった事のないものに、何か過失があっても責任が取れない。だから、取り組めない。全館空調といった温熱技術は分からないし、現段階では取り組む必要も感じていない」というもの。
打ち合わせをスタートさせ、これからいざ建築スタートという段階だった。2社目の工務店とお家づくりを始めて、既に3年が経過する段階で、全てを放り出されたのだ。
3.餅は餅屋 効率の良いお家づくりが進む
「やった事のないものには、責任が取れないから、建築を請け負えない」。要は、依頼する相手を、間違えたのである。
そこでサードステージでは、自分のお家づくりを叶えてくれる建築会社選びになり、最終的に、株式会社イシカワに依頼することとなった。
その結果、完成した自邸スペックは以下の通りである。
【自邸スペック】
- UA値 0.28
- ベタ基礎(止水プレート)
- 充填断熱(HGW16 105㎜)+付加断熱(ネオマフォーム 45㎜)
- 床断熱(ネオマフォーム 90㎜)
- 天井断熱(HGW16 210㎜)
- 二重屋根(特類合板・タイベック 透湿防水シート+タジマ ニュールーフライナー)
- 屋根材 SGL鋼板(ニスクカラーフロンPRO)縦葺き
- 外壁材 クロス胴縁+ニチハ ガルバリウム鋼板
- 許容応力度計算による耐震等級3
- 長期優良住宅