未分類

許容応力度計算による耐震等級3取得とは

自邸を建築する際に、最優先で検討したことが、最高等級の耐震性能を手に入れることだ。何故なら、家に住む家族の命を守るためだから。

 人によっては、豪華な設備だの、オシャレさを演出したいだの、予算配分で優先する項目がまちまちになると思うが、結論、生きててナンボ。南海トラフ大地震などが囁かれている状況では、真っ先に優先したい項目だ。

1.許容応力度計算による耐震等級3とは

 許容応力度計算とは、台風や地震の力(外力)を受けた住宅の各部材にかかる力(応力)を計算し、万一の地震の際、各部材にどれくらいの強度が必要なのか(許容応力度)を割り出し、各構造部材の耐えられる応力の限界が、地震時に各構造部材にかかる力を上回るように計算する方法だ。

 つまり、自邸の耐震力を、計算上で正確に担保してくれる構造計算の一つになる。

 耐震等級とは、建築の耐震性に関する指標のことで、3段階に分かれており、数字が大きくなるにつれて、耐震性が高くなっていく。

 耐震等級3は、耐震等級1で想定される1.5倍の地震に耐えられるレベルで、現在の耐震性を表す基準の最も高いランクだ。震度6~7程度の大地震において倒壊せず、損傷も少ないため、地震後の余震にも対応可能なレベルだ。

 許容応力度計算による耐震等級3取得になれば、当然コストアップする。

 株式会社イシカワで建築した自邸の場合、構造計算代として25万円別途費用として計上されたが、家族の命、大地震や台風に強い家にするための費用としてみれば、私は、この上なく安価と捉えた。

 また、構造上強くするために、結果的に柱が太くなり、柱の本数も増えたと、当時説明を受けた。ウッドショックと言われた建築木材高騰の折、坪単価に大きく反映されるのではと危惧したが、ほとんど影響がなかったと記憶している。

2.許容応力度計算による耐震等級3取得を薦めない工務店

 自邸をイシカワで建築する前に打ち合わせをしていた2社の工務店では、残念ながら、許容応力度計算による耐震等級3取得の薦めが無かった。「耐震等級3相当」という、モドキ的なフレーズでの説明を受け、それでも充分ですよ、というのが2社の工務店に共通した内容だった。

 こちらから許容応力度計算による耐震等級3取得を希望し、見積もりには上げたもらったものの、「そこまで必要ありますかね」と、最後まで否定される状況だったと記憶している。

 今から思えば、正確な計算の上で、耐震性能を上げる家を建築することは、手間暇が増える割には、工務店の収益を上げられないというデメリットがあり、受けたくなかったのだろうと推測する。

 株式会社イシカワのような企業体であれば、建築棟数も多く、全体で収益を上げることも可能だが、年間3~5棟が限界の家族経営工務店では、残念ながら、施主目線での安全担保は、デメリットでしかないだろう。

 何故なら、漆喰や檜、杉の床板といった、目にみえて分かりやすい自然素材ではなく、集客につながるモノではないからだ。

 家の耐震性能向上は、住まう家族の命を守り、家の耐久性能を上げてくれる。

 実は収益を一番に考え、軽視する建築会社ではなく、当たり前に採用している建築会社、工務店を選択し、悔いのない自邸を建築してほしい。