高気密高断熱住宅に使用するエアコンは、6畳用+再熱除湿付タイプで、バックアップ含めて複数台設置を、超私的にオススメしたい。
結論
- 1.自邸スペックにあったエアコンを、計算に基づいて選定する
- 2.再熱除湿付を選択することで、5月~6月の肌寒い梅雨時期にも、暖かい上に、しっかり除湿でき、自邸を年中通してカビ発生から防ぐ事ができる
上記2点が、高気密高断熱住宅のエアコン設置・使用の目的だ。
1.エアコン選定シミュレーション計算
株式会社イシカワより提示を受けた、自邸におけるエアコン選定の目安計算式は、下記内容だ。
【自邸スペックと基準値】
- ・UA値:0.29
- ・C値:0.8
- ・設定室内温度:24℃、外気温:-6℃
- ・Q値:0.29(UA値)×2.58+0.3916=1.14
- ・1階床面積:77.84㎡ 2階床面積:72.87㎡
【1階:計算値】
- ・必要能力:(1.14+0.8/10)×77.84×30(室内温度+外気温)=2,848w 2,848w×1.2(安全率)=3,418w
- ACカタログ暖房能力・冷房能力:3.5kw以上 12畳程度のエアコン推奨
【2階:計算値】
- ・必要能力:(1.14+0.8/10)×72.87×30(室内温度+外気温)=2,667w 2,667w×1.2(安全率)=3.200w
- ACカタログ暖房能力・冷房能力:3.3kw以上 10畳程度のエアコン推奨
本来なら、提案通り1階は12畳用のエアコン、2階は10乗用のエアコンを各1台ずつ購入、設置する流れだが、故障時用のバックアップエアコンの設置を当初から考えていたため、メイン稼働は、各階ともに三菱電機の霧ケ峰 Xシリーズの6畳用のエアコン(定格 冷房:2.2kw 暖房:2.5kw)を選択することとした。
ブログ読者の皆さんは、上記計算式に建築する自宅のスペック数値を当てはめて、計算して欲しい。また、自邸建築エリアに応じて、室内温度や外気温の設定を変更すれば、必要な能力も変わってくるだろう。
ただ、6畳用を選択した理由は、他にもある。
2.6畳用のエアコンを購入する理由
私が購入したエアコンは、三菱電機の霧ケ峰 Xシリーズの6畳用エアコンだ。
理由は、
- 1.再熱除湿機能付きをどうしても選択したかったこと。
- 2.再熱除湿機能付きのエアコンは、どうしても値段が高くなるので、6畳用にすることで、全体の値段を下げた。
- 3.最弱運転時のCOPが冷房・暖房ともに6.6と、日立しろくまくんXシリーズを圧倒。
- 4.今やエアコンでは数少ないmade in japan商品
上記内容による。
再熱除湿機能とは、冷やして除湿した空気を、暖めてから戻す方式だ。室温を下げずに、湿度だけを下げることができるため、梅雨の時期や雨の日など、ジメジメしているけど気温が肌寒く感じる場合に適している。
四季がある日本では、梅雨時期から秋口までの湿度管理が家の長寿命化につながる。室内の湿度を60%以下に抑えることができれば、建て替えの最大要因となるカビ発生のリスクが、大幅に減少するからだ。
また、高気密高断熱住宅の場合、窓からの日射制御を適切に行えば、一度温められたり、涼しくなったりした室温を、少ない電力で、一定にキープしやすくなる。つまり魔法瓶のような家である。
その魔法瓶の家で使用するエアコンは、定格能力ではなく、効率が高まった時に使用される能力、つまり、24時間運転に適したエアコンの最弱運転時のCOPが重要になってくる。
COPとは、冷暖房機器のエネルギー消費効率を表す指標のことだ。
三菱電機 霧ケ峰で冷房の場合、

定格能力は、2.2kw÷消費電力450w=COP4.8
最弱能力は、0.7kw÷消費電力105w=COP6.6
と格段に最弱運転時のCOPが上昇する。
では、霧ケ峰 Xシリーズの6畳用 2台で、建て延べ約40坪の住宅の全館空調が可能なのか。
答えは、可能だ。住み始めて初めての2024年夏は、霧ケ峰6畳用エアコン 2台で、乗り切った。
ただ、エアコンのみの稼働では、全館空調はできない。再熱除湿付エアコンに加えて、各部屋の循環ファン+適切な日射遮蔽が必要になってくる。