私は、50代手前の中年サラリーマンだ。
2024年2月に、温暖な関西で、30年後にメンテナンスコストが出来るだけかからず、温熱に特化した高機密高断熱(充填+付加断熱)のお家を建てた。
今年の冬(2025年2月)は、関西でも雪がちらつくほどの厳冬だったが、建坪40坪(一部吹き抜けあり)のお家を、6畳用のエアコンメイン2台(1階1台、2階1台)で、暖かく過ごせた。寒い冬の全館暖房の快適さからくる幸せを、じわじわ感じている。
築45年の旧宅は、昭和建築そのもの。地盤沈下による床の傾きに始まり、夏は屋根から降り注ぐ太陽の熱により非常に暑く、冬は室内で吐く息が白くなるほどの寒さ。特に冬は、お風呂に入るのにも勇気が入り、夜は湯たんぽなしには、ぐっすりと眠ることもできなかったなぁ。
そんなある日のこと。「お家、新築にでけへんかなぁ」妻の何気ない一言。
40代後半に差し掛かり、サラリーマン稼業を続けていくのも中々難しいこのタイミングで、莫大な借金を抱えるのが果たして得策かどうか。
両親からの大反対もあり、随分と悩んだもんだ。
ただ、人生は100年時代に突入。今建て替えても、寿命90歳と仮定し、約40年以上住まうことを考え、「やりかえるなら今しかない!」と、お家建て替え計画をスタートさせたのが2020年秋。
当初のお家づくりは、ヒノキの無垢床に、漆喰の内壁といった、自然素材満載のもの。「木の香りがする家に住みたい」「無垢の木の床の肌触りは、ものすごく気持ちがいい」「湿気を感じにくく、空気がキレイ」などなど、見て、触っての憧れは、より具現化しやすかった記憶がある。
しかし、同時並行で、様々な住宅に関するブログ、本を勉強していく中で、建て替えのきっかけとなった「暑さ寒さ」対策が取れる術を見出していくことになる。それは、1階と2階のオープンスペースに設置した6畳用エアコン2台と、各居室に設置した循環ファンの「全館空調」による、快適な温熱環境のお家だった。
- 暖かい空気は、勝手に上昇し、冷たい空気も勝手に下降する。
- 空気を、横方向に人為的に動かしてあげることで、温度差がなくなり、より快適になる。
- エアコンを不快に思うのは、自分に直接、暖かい・冷たい風があたるから。
- 動線はもとより、空気・人の特性とエアコンスペースを意識して間取りを作成。
- 夏は、外部日射遮蔽を徹底することで、より涼しく、冷房代上昇を抑える。
- 二重屋根構造で、通気による屋根の寿命と高温化を防ぐ。
- Q値、UA値、気密、充填+付加断熱材、クロス胴縁による、結露防止の最適な組み合わせ。
- 南海トラフ地震に備えた、許容応力度・構造計算による耐震等級3取得
- 建築後、できるだけメンテナンスコストのかからない外壁材・屋根材
- 不動産価値を落とさない地盤改良方法
- 防蟻対策などなど
見た目や、派手な機能に拘らず、維持費、電気代が出来るだけかからず、快適に生活できるお家作りになった。
お家に求めるものは、人それぞれだと思います。正解は一つだけではない。
ただ、自邸を建てる上で、同じ方向性を持つ人に、自分が得た体験が何か役に立てれば、非常に嬉しく思う。
今回、建築を請け負ってくださった株式会社イシカワの柳橋支店長。そして、ブログを通じて家づくりの基礎を教えてくださった、新潟「オーブルデザイン」の浅間さん。「家は空調」のフェッピーさん。「テイガク」の前川さん。
この場を借りて、お礼申し上げます。本当に、ありがとうございます。